4センチの価値

ハイセンスな私がお送りする、4センチの価値があるブログ

野良猫とクリームチーズ入りのあんぱん

 

こんにちは。センチです。

 

今日は幸せな猫のような生活を送りました。

聞いてください。

 

朝、九時頃「おはよう」の声で目覚める。

目覚ましアプリの声だ。

今日は少し頭が痛い。お辞儀をしてみて痛みが強くなったら偏頭痛らしい。

偏頭痛にはコーヒーが良いだろうと思い立ち、キッチンに向かった。

一杯分のコーヒーが作れる、元々コーヒーの粉が入っているパックのようなものがあるでしょう。それをカップにセットし、お湯を沸かす。

その間にあんぱんをトースターに入れる。私はほかほかのあんぱんが大好きだ。

しかしそのまま食べるのもなんだかなと思い、スマホであんぱんのアレンジ法を検索。

そうだ、今日は特別にクリームチーズでも入れてやろう。

冷蔵庫を探ると、昨日から目をつけていたクリームチーズがちゃんとあった。

ピーッとやかんが鳴ったので、細く湯を注げるポットに移し替える。

なぜこんなコーヒーを入れるのにうってつけなポットが家にあるのか。それはおそらく母がコーヒーが好きだからだろう。

そんなことを考えているうちに、トースターもピピッと音を立てた。

あんぱんを包丁で半分にさっくり切って、柔らかいクリームチーズをバターナイフで入れ込む。

これは絶対に美味しい。私は確信した。

こんな美味しそうなあんぱんには美味しいコーヒーがお似合いだ。

そう思うとコーヒーの粉に湯を注ぐのにも力が入る。

最初に少し湯をかけて蒸らす。熱い湯気とともに、かぐわしい香りが鼻を撫でる。

ちょっと時間を開けてから、湯をまた注ぎ入れた。

なんと優雅な時間だろう。

イヤホンからはワルツが流れる。

全世界の人間が私を羨むことだろうな。と思ったが、バリバリ働いて高い地位を手に入れることが幸せな人間もいるんだろうなとなんとなく考えた。

コーヒーカップが少しずつ満たされていく。

しばらくすると一杯分のコーヒーが出来上がった。

使い終わったパックをゴミ箱まで持っていくのが至難の業なのだ。

今日初めて急いだ。

コーヒーの雫を垂らさず、サッと華麗にゴミ箱にイン。素晴らしい。

カップにミルクを垂らして、ぐるぐると回る白い筋を眺めた。

左手にはあんぱんの乗った皿、右手にはコーヒー。

電気のスイッチに、グッと右手のカップを押し付ける。パチン。よし、消えた。

ニコニコ顔で私はテーブルについた。

 

あんぱんを一口かじる。

初めに餡子の強い甘み、その後にクリームチーズの優しい酸味とまろやかさ。

口の中は今、割と甘ったるい。そこでコーヒー君の登場だ。

サラッとした苦味がだらだらとした甘みを綺麗に洗い流す。

幸せ…

 

優雅な朝ごはんを終えた私は、昨日庭に置いてペンキを塗っていた机の2度塗りをしようと思った。

さっき食べたクリームチーズみたいな色をしている。

目の端で何かが動いた。野良猫だ。

この子は毎日家に遊びに来る。いたずらっ子で、よく猫パンチをするので、「パンチ」と名付けた。

庭に出て、ペンキの蓋を開ける。あぁ、昨日から刷毛を放置していたからカチカチになっている。しょうがないので他の小さな刷毛を使う。

サッサッサッと軽快なリズムで、クリームチーズ、ではなく白いペンキを塗っていく。

まだしっとりとしているペンキ跡は、冬の透明な日光を浴びて輝いていた。

 

一仕事を終えた私は、少し疲れたので眠くなった。パンチも眠そうだ。君は何もやってないだろう。

ウッドデッキに座るとますます眠くなってきた。

下に敷物を敷き、ラベンダー色のクッションを運んできて、パンチの近くに寝転んだ。

太陽で暖められてふかふかのパンチの背中を撫でる。

パンチは喉をグルグルと鳴らしながら地面に伏せた。

風は二月の冷たい風だが、快晴であったため、そこまで寒くはなかった。

背中に暖かな光を感じる。

いつまでもこんな時間を過ごせたらいいのにな、とパンチの透き通る緑のを眺めながら思った。

 

 

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