4センチの価値

ハイセンスな私がお送りする、4センチの価値があるブログ

好きな物のためにモブになりたくない

 

私はアイドルの前ではモブ1なんだよな

 

先日ジャニーズのコンサートに行ってきた。

今回は特定のグループ名を出すと、伝えたいことがずれると思ったので、あえて出さない。

 

会場は決してめちゃくちゃでかい訳ではなかった。以前入った東京ドームなどに比べたら。

それでもやはりグッズを買う列にはたくさんの若い女の子達が並んでいた。

フリフリの可愛い服を着る人や、メンバーカラー一色の服を着た人。

1人ずつ、自宅から思い思いの気持ちでその服を着てきたはずだ。

でも私にはその一人一人が「大勢のファン」にしか見えなかった。

感情を持たない「ファン」という概念の集まりに見えた。

ファンの1人である私から見てもこうなのだから、アイドルから見たらその人々は、人間にすら見えないかもしれない。

数十年生きてきた人生がその人たちにはあるはずなのに、人の形をした何かにしか見えない。

目眩がした。

私を構成する数え切れない私の要素。

あの赤い服のファンも、あの可愛い服を着たファンも、巨大な人生のデータがある。

でも今は「大勢のファン」の一要素に成り果てた。

「笑う私」も「笑うファン」

「手を振る私」も「手を振るファン」

私がモブになっている。

冷たい泥沼の中に沈んでいく気持ちになった。

初めて東京に行った時と似た思いを感じた。

ジャニオタでいる間は、どう足掻いても私に個性を見出すことが出来ない。

 

 

コスメはいつも私を主役にする

 

私にはジャニーズを応援する他に、メイクという趣味もある。

新しいリップを買うとき、登場人物はいつも私だけ。

そこで重要なのは、「私に似合うか」ということだけなのだ。

他人の介入しない、私だけのステージ。

買ったリップが似合えば、私はもっと人生の中で主役になれる。似合わなければ、なぜ私に似合わないのか考える。

いつだってメイクは私のためだけに存在している。

私がアイドルになれる。

私の人生の中のアイドルに。